禁域―秘密の愛―【完】
まさか…………本当に………?
どうして……………?
あれはーーーー、幻じゃなかったの………?
「…………み、瞳!」
「…………!!」
優斗に力強く名前を呼ばれ、私は意識を取り戻した。
「どうした?急に固まって」
優斗が、不思議そうな顔で私を見る。でも………何も言葉がでてこない。この状況についていけない。
一体、どうしたらーーーー…………
「………優斗さん。遅れてすみません。仕事が立て込んでいて、今になりました」
けれど………そんな、優斗の目から私を反らしたのは…………巧だった。
巧…………どうして
どうしてーーーー。
「いや、構わないよ。桐谷商事の総務部の仕事も忙しいだろ。もう次は、部長補佐なんだろ?いくら、御曹司とはいえ異例の出世だよ、君は」
「いや、そんなことはないです」
「そんなことあるわよ。巧は、いつも仕事部屋に引きこもってるもの。しかもここ最近はずっとね」
よく見ると………巧は、平然とした表情で隣の女性と腕を組んでいた。
巧は………なぜ、こんなに冷静でいられるの………?