禁域―秘密の愛―【完】
なんて、残酷な運命ーーーー…………。
「とりあえず座ろうか。料理を頼んで乾杯しよう」
優斗のその一声で皆んなが一斉に席に着いた。私の隣が優斗。優斗さんの前には飛鳥さん、その隣には巧という席順。
一体これはどんな仕打ちなんだろう………。
そしてーーーー
「朝香、何飲む?朝香はいつも最初はノンアルコールだが」
「そうね…………。でも今日は地中海料理だから、赤のグラスにするわ」
仲睦まじく話をする巧と朝香さん。
まさか、こんな光景を見ることになるなんて…………。
「ーーーー瞳?」
「えっ………」
「どうした?やっぱり今日変だぞ?」
「え、いや………その」
ふと、前を見た瞬間………巧と目が合った。
「あ………」
少し、短くなった変わらないサラサラの黒髪に………薄い紺のジャケットを羽織りワイシャツを着ている巧。
八年ぶりに見る巧は、高校生の彼よりも更に何倍も美しく………そして逞しくなっていた。