禁域―秘密の愛―【完】
「あの………、ごめんなさい。急に開けてしまって………。っ、その、先生は?」
「ううん、気にしないで。先生なら、職員会議に行ったよ。かなり急いでたから、きっと、外出中のボードをドアに掛けるのを忘れたんだと思う」
「そう………ですか。ありがとうございます」
そう言うと、私はどうしたらいいのか分からず近くにあった椅子に座った。
教室には………、帰りたくない。
「………進学科の綾瀬さんだよね?」
「えっ?」
私は不意に、自分の名前を呼ばれ驚いた。
「よくそこで、ガーデニングしてたでしょ?私、身体が弱くて、基本的に保健室登校なの。だから、よく見てた。すごく丁寧に花を育ててるなって」
女の子はニッコリと笑ってそう言った。
私のことを、そんな風に見てくれている子が他にもいたなんて。
「あ、ありがとうございます………」
なんだか照れくさい気持ちになりながらも私は嬉しさを抑えきれなかった。
「私、柴咲かれん。普通科の同い年よ。あ、けれど私、祖父がフランス人だからよく日本人っぽくないって言われるけどね?
これから仲良くしてくれる?綾瀬瞳さん?」