禁域―秘密の愛―【完】
「そうだったのか!それは驚いたな、瞳!それなら、瞳はあの桐生高校の特進科だったってことか。そういえば出身の高校を聞いてなかったな………。けど、流石だね」
「…………そうね、そんな偶然があるなんて。でも巧の高校時代の事聞いてみたいわ」
「ーーーー綾瀬さん」
巧が…………私を見据える。
けど、それは何事にも冷静でどこか冷たさを持っている…………まるで、初めて会った頃の巧ーーーー。
「今日は、色々話しましょう。 …………昔のことは水に流して」
「え……………」
巧…………今、何て言ったの?
巧は…………忘れたの?
ーーーー"忘れなんてさせるか…………"
そう、切なげにそして甘く………私に囁いたのは巧の方だった。
だから、私は………ううん、それでなくても私は巧の事を忘れたくなんてなかった。
あんなにも心から愛した人だから。
だけど…………
「まあ、とりあえず乾杯しようか」
「そうね、飲み物も来たようだし。ほら、綾瀬さんも」
「あ、………はい………」
巧は、私のことを全部過去に置いてきたとでもいうのだろうか…………?