禁域―秘密の愛―【完】
愛ちゃんと私は、図書室へと向かった。
「ここなら、しばらく誰もいないから。大丈夫」
「うん………」
「何が………あったの?」
私はその愛ちゃんの言葉をきっかけに、今日の出来事を話した。
朝から靴が隠されていたり、参考書が破られたりしていたこと。机の中を荒らされていたこと。
それが桐谷君に憧れている、私とは何もかも違うクラスの女子生徒達の仕業かもしれないこと。
そして、何より………
「私………、桐谷君に机の中を見られたら心配をかけると思って………近付かないでって言っちゃったの。
それできっと、桐谷君を傷つけた………。それが、何よりも苦しい………」
大好きな人を自分の言葉で傷つけた………。
そんなことは、今までに経験が無くて、傷つけた途端、どうしたらいいのか分からなくなった。
そして何よりも…………、苦しくて仕方がなかった。
「っ………」
知らないうちに、また涙が頬を伝った。
今までも、涙を流したことはあった。
でも、それは私自身が傷ついた時の涙。
誰かを傷つけて、苦しい思いが溢れている涙をどうやって止めればいいかわからなかった。