禁域―秘密の愛―【完】
「なるほどね………。本当に、桐谷君のこと好きなんだ。幸せなヤツ!桐谷君って。こんなに、女の子に想われてさ」
愛ちゃんは、私の背中をなだめるように撫でる。
そのおかげで少し落ち着いた私は、自分の気持ちを更に愛ちゃんにぶつけた。
「でも、私もう………桐谷君に合わせる顔がない」
「………なんで?」
「あんなに傷付いたような顔させて………。それに、嫌がらせを受けて思ったの。
私なんかが、桐谷君を好きで、傍にいたいなんて思ったらダメなんだって。
どう見ても、あの子たちの方が綺麗で人気もあるから………。
桐谷君は、そんな子達の方がお似合いなんだよ。そういう世界の人だから………。
そう思ったら私、段々と桐谷君の前に出れなくなって………」
桐谷君と私は全く違う。
桐谷君は………、私なんかが触れてはいけなかった人。
元々、住んでいる世界が違ったのにどうして関わってしまったのだろう。
あの雨の日、桐谷君のおばあちゃんを助けたことで、彼の不器用だけどちゃんと私を包み込んてくれた優しさに触れて。
凄く嬉しかったのに。
それが、間違いだったのではないかと今では思ってしまう………。