禁域―秘密の愛―【完】


「瞳……………」


「巧……………」

その瞬間ーーーー、巧と私はお互いを欲した。
目線が合った瞬間、さっきよりも何倍も強い力で抱き寄せられ、巧は私の唇を奪う。

「………んんっ………!んっ……」


激しく、どこまでも奪われるようなキスーーーー。


「…………っ、あ…………」

そのまま、私は巧に布団へと押し倒された。

私たちは、お互いに絡み合い浴衣を脱がし合う…………。

「凄く綺麗だ…………瞳」

「やっ………あんまり、見ないで…………」

私は恥ずかしさで思わず顔を手で覆った。けれど、巧はその手を解き

「…………隠すな。瞳を隅々まで俺は奪う。奪い尽くす。優斗さんじゃない…………俺だけを見ろ」

…………そう、囁いた。私を一瞬にして動けなくして、捕えるその声でーーーー。

「た、くみ………っ」

それだけでもう……………


巧しか見えないーーーー。
< 417 / 714 >

この作品をシェア

pagetop