禁域―秘密の愛―【完】
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「瞳、何か食べるか?」
しばらくして、巧と私は着替えた後………居間でくつろいでいた。隣で私は彼の肩にもたれていた。
「うん、かなりお腹空いた………」
「………疲れただろ。悪かったな。朝もお前を抱いたから」
「ーーーーッ!?」
急に耳元でそう囁かれ、私は昨日と今日の朝の光景を思い出し一気に恥ずかしくなる。
「た、た、巧のバカっ…………!ストレート過ぎだよっ………!」
「…………こんなに顔を赤くして。本当に、お前は可愛い。昔からそうだから………どうしても離したくなくなる」
巧はそう言って優しい笑みを浮かべた。
「っ、もうっ………」
………狡いよ、巧。昔から無意識に甘い言葉を囁いては私をこんなにも虜にしてしまうんだから…………。
「………まぁ、とりあえず朝飯頼むか」
「えっ?今の時間帯で頼めるの?」
「あぁ。言っただろ?ここは桐谷家の御用達だって。言えばまだ間に合うと思うから頼んでくる」
そう言うと、巧はそっと私を離し、居間の連絡用の固定電話へと向かった。