禁域―秘密の愛―【完】
電話で話をする巧の後姿を見て、思わず笑みがこぼれる。
本当に、私………巧とまた気持ちが通じ合ったんだ。
凄く嬉しいーーーーー。
…………そう、思っていた時だった。
「…………あっ」
着信音がスマホから流れてくるのが分かった。そう言えば、私はずっとスマホを鞄の中に入れっぱなしで見てなかったんだ。
相手はーーーー
ーーーー園屋 優斗
「……………!!」
ディスプレイに表示されたその名前を見た瞬間ーーーー、私は一気に現実に引き戻された。
そうだ…………私はまだ、優斗の彼女だ。そして、巧はその従姉妹である朝香さんと婚約している。
…………決して、避けることの出来ない現実がそこにはあった。
「………瞳?電話出ないのか?」
どうやら、ルームサービスを頼み終わったらしい巧が戻ってきた。
「っ、優斗なの………。電話の相手」
そう言った瞬間…………巧の顔色も変わった。
巧も今、感じたよね?そこに、避けられない現実があることーーーー。