禁域―秘密の愛―【完】
そう言うと、巧は私の目を見据えた。
「俺には、好きな女がいると。そいつと…………一緒にいさせて欲しいと頼む」
「た、くみ…………」
それは…………
「………お前のことだよ、瞳」
「っ、本当…………に?」
本当に、巧はこれから私と一緒にいてくれるの…………?
「本当だよ…………。高校の時、俺には瞳を繋ぎ止めるだけの力がなくて、お前と別れるしか無かった。あんなにも好きだった女と別れざる負えなかったことに…………俺はどんなに自分を呪ったか…………分からない。
力の無さもどれだけ後悔したか分からない。でも、今の俺には大きな財を生み出しそれを桐谷商事の繁栄へと繋がる能力がある。それに伴った地位と………権力もある。それを瞳を離さない為に使えるのなら………俺は喜んで使うよ」
「っ、巧………」
でも、それでも長年連れ添った桜庭家の愛娘である朝香さんとの婚約を破棄し私と一緒にいるということだから…………桜庭家を敵にまわすかもしれないのに。
それでも、巧は………強い目で私を見据えて、今度は離さないと言ってくれている。