禁域―秘密の愛―【完】


「ごめんな………瞳。いつも俺はお前に辛い思いをさせてしまう」

「っ、巧………」

「…………でも、もう少し待っててくれ」

「え………?」

その言葉に…………私は驚きを隠せなかった。

「待つ、って………?何か………考えがあるの?巧?」

「………実は、桐谷商事のここ数年の収益は、前と比べ物にならないくらい格段に上がっている。それは、もちろん桜庭家の支援のおかげでもあるが………社員も、俺も。全力で破産しないよう努力し、策を練り業績と信頼を確実に全盛期以上に積み上げてきた。そして………気が付いた」

「何を………?」

「もう少しで桐谷商事の収益が桜庭家に借りた資金を余裕で返済できるようになると。その時が来たら、俺は桜庭家に借りていた全ての資金を返済する。そして、桜庭家の事業も、それに関連する企業団体の事業にも今まで通り手を貸す。ただ…………一つ頼むんだ」

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