禁域―秘密の愛―【完】
「っ、違う!」
私は桐谷君のことを悪く言われた瞬間、頭に血が上りそう叫んでいた。
「桐谷君は………、そんな人じゃない。不器用だけど、その人の人となりをきちんと見てくれる………。本当に、優しくてあたたかい人だよ………」
ーーーそうだ。だから、私は………そんな桐谷君を好きになったんだ。
「………そうだよね?だったら、桐谷君も同じじゃない?ただ、上辺だけを見て、瞳に接しているわけじゃないよ。瞳の内面が、桐谷君を惹きつけたんじゃないの?」
「そう………だ」
私も………、桐谷君の外見や家柄。そんなものに惹かれたわけじゃない。
桐谷君の………内なるものに惹かれたんだ。
それがとても愛しくて、どうしようもなく好きになったんだ………。
「私………」
桐谷君に、とても悪いことをしてしまった。桐谷君は、私を上辺だけで見て接してくれているわけではなかったのに。
私はそれだけを気にして………。
どれだけ、桐谷君を傷つけたんだろう?