禁域―秘密の愛―【完】
「き、桐谷君………」
ヤバイ、2人きり………。どうしよう?
思わぬ展開に私の胸は、これでもかと言うくらいドキドキと高鳴る。
とりあえず………謝ろう。
「あ、あの!桐谷君ーーー」
「………ごめん!」
「っ、え………?」
なんで、桐谷君が謝るの?
戸惑う私を見た桐谷君は、私がいなかった間の教室での出来事を説明し始めた。
「………綾瀬が居なくなった後。ほら、いるだろ?綾瀬の、前の席にいる田中。
あいつが、後ろのロッカーに部活用のバッグを入れに行った後、振り向いた時綾瀬の机の中を見て、俺に言ってきたんだよ。
ヤバくないか?って。嫌がらせ受けているんじゃないかって」
「田中君が………」
そうだ。大きな荷物を入れるのに使うロッカーは、1番後ろの席の後方にある。
当然、振り向いたら私の机の中が見える。
「俺は、隣の席だし………。
しかも、滅多にロッカーも使わないから気付かなかった。
田中には感謝してるよ。綾瀬が嫌がらせを受けてることに気づけたから」