禁域―秘密の愛―【完】


「それでクラスの女子が、やけに綾瀬とのことを聞いてくるから直ぐに察しがついた。
俺の事で………、嫌がらせを受けてたんだって。
目の前で、綾瀬だけを悪くを言ってくるから、ムカついて怒鳴ったんだ。
そしたら、泣きながら洗いざらい説明し始めた………。こんな写真が、1人の女子の靴箱にあったんだと」

そう言って、桐谷君は1枚の写真を私に見せた。それはーーー

「裏庭………?」

「俺が、綾瀬を支えた写真だよ。だから、アイツら以外の誰かが、手を汚さず綾瀬に嫌がらせしようとしてた………。
いや、今も犯人は分からないから続いてる」

「そんな………」

一体、誰がこんなことをしているのだろう?

やっぱり、私は桐谷君の傍にいてはいけないの?

予想外の事実を突きつけられ、頭が真っ白になる。

ーーーあぁ、嫌だ。また泣きそう。

これ以上、桐谷君に心配させたくないのに。

「………綾瀬?」

「………ッ、やっぱり、わかんなくなるよ……。私、桐谷君の傍にいるだけで迷惑沢山かけるし、周りにも認めてもらえない………。
それでも、桐谷君の傍にいていい理由が、わかんなくなる………」
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