禁域―秘密の愛―【完】
「………俺だけを考えろよ。他のヤツなんて気にするな………」
「っ、巧………」
「俺は、お前といられるならもう何を犠牲にしてもいい。例え、朝香だろうと………優斗さんだろうと。この8年間で……瞳を手放した事をどれほど後悔したかがそれを物語ってる。
そして、今の俺は彼らを犠牲にしてもお前や会社を守り切るほどの手腕も持ってるからそう言える………。けれど、お前はそんな簡単に何かを捨てられる女じゃない………分かってる。そんな瞳だからこそ俺は惹かれたんだと………。
だけど、その優しさが………時には残酷にさえなることをお前は知らない………」
「……ッ、……」
何も言えなかった。そうだ………巧には、私のために"何もかも"捨てられる…………その"覚悟"があるのにーーーー。
「………羨ましいよ。瞳を表面上だけでも正式な恋人として縛り付けておくことができる優斗さんが」
「っ、巧っ……」
「………悪い。これ以上は………お前をきっと、傷付けてしまう」
巧はそう言った瞬間私の元からそっと離れた。