禁域―秘密の愛―【完】
「朝香に巧君、こんにちは。今日は悪いね。さっき、父から連絡が入ってやっぱり何人か親族を同席させると言うことだった………。全く何を考えてるんだか」
「ううん!良いのよ。今日とっても楽しみにしてたんだから!ね!巧っ」
「………そうだな」
「………っ」
巧の返事に耳が痛むような思いだった。
………本当は、この場から連れ去って欲しい。優斗のことがなければ………今すぐにでも巧の元に行きたい。
なのに………
「巧、ここのランチコースとっても美味しいのよ。楽しみね」
「そうだな………。だけど、調子にのって食べ過ぎるなよ?」
「もう、分かってるわよ」
そう言って笑い合う朝香さんと巧。
そう。私の居場所は、巧の隣だって誰にも認められていない。
それが、こんなにも改めて見せつけられたようで本当に苦しい…………。
隣にいたいのに、いられないーーーー。
まさか………巧も、ずっとこんな気持ちだったの?
ーーーー"朝香と優斗さんを犠牲にしても………"
そう思った時、巧の言葉が鮮明に蘇ってきた。