禁域―秘密の愛―【完】


「落ち着いて………瞳。 大丈夫だから」

「っ………?」

「巧君はどうしても外せない仕事が入った。だから、ここにはまだ来れない。…………巧君に直接確認しても構わないよ」

「仕事………?」

「あぁ」

私を澄んだ目で見据える………優斗の目。それを見ては疑う事も何も出来ない。

「………分かった」

「………連絡しないの?」

「うん………。私は………優斗を信じてる。優斗は人を平気で騙す人なんかじゃないから………」

そう。優斗は………私が巧以外で本気で好きになった、唯一の男性。

だから、信じている。どんな事があっても、優斗は平気な顔をして嘘を簡単につくような人でないと………。

「瞳…………」

すると、優斗はどこか苦しげな顔を浮かべた。

「優斗………?」


「瞳……….、俺は」

「………ん?」


「………いや、何でもない。 医者を、呼んでくるからちょっと待っていて」

優斗はそう言ってどこか力無く微笑むと、病室を出ていった。
< 530 / 714 >

この作品をシェア

pagetop