禁域―秘密の愛―【完】
「落ち着いて………瞳。 大丈夫だから」
「っ………?」
「巧君はどうしても外せない仕事が入った。だから、ここにはまだ来れない。…………巧君に直接確認しても構わないよ」
「仕事………?」
「あぁ」
私を澄んだ目で見据える………優斗の目。それを見ては疑う事も何も出来ない。
「………分かった」
「………連絡しないの?」
「うん………。私は………優斗を信じてる。優斗は人を平気で騙す人なんかじゃないから………」
そう。優斗は………私が巧以外で本気で好きになった、唯一の男性。
だから、信じている。どんな事があっても、優斗は平気な顔をして嘘を簡単につくような人でないと………。
「瞳…………」
すると、優斗はどこか苦しげな顔を浮かべた。
「優斗………?」
「瞳……….、俺は」
「………ん?」
「………いや、何でもない。 医者を、呼んでくるからちょっと待っていて」
優斗はそう言ってどこか力無く微笑むと、病室を出ていった。