禁域―秘密の愛―【完】
「………まさかまた巧君が、と言うんじゃないだろうね」
「………っ、それは」
「…………ざけるな」
「え…………」
優斗の低い声が聞こえたと思ったーーーー、その瞬間。
ーーーーバシッ!
「ーーーー!!痛ッ…………!?」
「ふざけるな、って言ってるんだよッ!!!」
優斗が私の頬を物凄い力で引っ叩いた…………。
「っ、優っ………い、たっ………」
優斗が私の肩を激しく揺さぶる。優斗の指がこれでもかというほ肩に食い込んで痛い。
「いい加減にしてくれ………なぜ、分からないんだよ!!俺には瞳が必要だと、愛しているとこんなにも言っているのに!!なぜ………巧君なんだ!アイツは………桐谷 巧は一旦君を捨てた男だろ!? きっと桜庭家の財と地位に目が眩んで君を捨てたんだ!!あの頃の桐谷商事は火の車だったからな!!」
「っ、違うッ………!そんな理由で巧は私と別れてない!!」
「何が違わないんだ!!それが実際、今ある事実だろ!?俺は、絶対にそんな事はしない!!瞳………分かってくれよ、なぁ?君をこんなにも想ってるのは俺だけだ!だいたい、彼は既に朝香の婚約者で、君とは一緒にいることなんてできない!!君と一緒にいるべきは桐谷 巧なんかじゃない!!この俺だッ!」