禁域―秘密の愛―【完】


巧は今どこにいるのだろう…………


携帯もずっと繋がらない。………勿論、ここに来ることも無い。

場所に関しては優斗や朝香さん、それに啓史さんが巧に黙っている可能性がある。

………けど、携帯は? どうして、連絡がとれないの?


「巧…………」


巧………会いたいよ。

会いたくて、会いたくて仕方がない。

今………何しているの? どこにいるの?



"ーーー………瞳、待っていてくれ。 必ず俺はーーー………"


「………えっ………」


その時、いつか見た夢で巧が私に言った言葉が脳裏に浮かんだ。


………どうして、今この言葉が浮かんだのだろう………?


「………っ」


………何だか、嫌な予感がする。
このまま、ここにいるだけではいけない気がする。

このままだと………また、巧と離れてしまうような…………。

ベッドの手すりを握り締めていた手にいつの間にか、力が入っていないのが分かった。


「私っ………行かなきゃ………」


………行かなきゃいけない。 巧の元へ………。

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