禁域―秘密の愛―【完】


私はクローゼットから自分の着替えを取り出し、病院を飛び出した。そして病院前のバス停へと向かう。

病院関係者に見つかると大変なことになる。どこかできるだけ離れた所に行かなきゃ………。


「っ、巧…………っ」

お願いだから、これ以上離れて行かないで………。







「…………何してるの?」



ーーーーその時、私のすぐ近くで…………今一番聞きたくない声がした。


そんな…………どうして、こんなタイミングで…………。

「………明日、退院でしょう? 瞳さん?」

「………っ」


嫌………信じたくない。


今、目の前にいるのが………朝香さんだということを。


「ねぇ、何であなたが今ここにいるの? ………答えなさいよ」


「あ、さ………かさん………」

私は蛇に睨まれた蛙のようにその場から動けなくなっていた。

飛鳥さんは私をこれでもかという程、鋭く睨みつけジッと見つめている。

「………ただの散歩って訳でも無さそうね。ねぇ、誰に会いに行くの?ちゃっかり携帯電話と財布まで持って」

「っ、朝香さーーーー」

「………答えてよッ!!!!」

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