禁域―秘密の愛―【完】

朝香さんのこれでもかと言うくらい激しい怒号が静かなバス停に響きわたった。


バスを待っていた人達も何人かいて何事かと言うように私達を見る。
それでも私は、まだその場から動く事など出来なかった。

彼女が突然現れた予想外の事に、心がついていかず更に私は…………


ーーー…………飛鳥さんに対する罪悪感と申し訳なさで混乱していた。



「巧のところでしょ!巧のところに行こうとしてるんでしょ!?さっさとそう白状しなさいよ!!! さぁ!!私の目の前で!! 影でコソコソコソコソあんた目障りなのよ!!! ずっとずっと!!!」

「っ、痛っ………」

朝香さんが近づいてきて私の肩をガッシリと掴む。指先がくい込みとても痛い。

それ程までに彼女は私に対して恨みや、怒りを抱いている…………。



ーーーー自分の実家の力を使ってでも巧と一緒にいる事を望んだ朝香さん。

高校時代、どんなにまだ見ない彼女を恨んだか分からない…………。巧と私をとんでもない方法で引き裂いたこの人を。

でも、考えた事がある。朝香さんに初めて会った時から。私は長い間………巧に会いたい。好きだと思っていた。

………だからこそ。



「飛鳥さん………ごめんなさい」





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