禁域―秘密の愛―【完】



そう。 朝香さんの真の心の悲痛は私にしかきっと分からないーーーー。


だから…………

「………っ」


…………怖い。何よりも怖い。彼女と向き合う事が。誰よりも彼女の心の痛みが分かるから。

だけど…………

私は………巧を追いかけなければならない。その為には朝香さんを。まるで私の巧を想う対の心をうつす鏡のようなこの人をーーー、超えなければならない。


声が震えても、泣きそうになっても。彼女と向き合わなければ私は二度と巧に会えない………。


私は唇を噛み締めた。 そして………ゆっくりと朝香さんを見据えた。

「………朝香さん、私も巧の事が好きです。誰よりも………愛しています。………だから、あなたに謝りたいんです。ごめんなさい」

「何なの………開き直り? 大人しい顔してるくせに自然に巧と優斗君に二股かけるところといいアンタってどこまでも図々しくて、卑しいのね!!本当に大嫌いよ!!この淫乱女!!」




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