禁域―秘密の愛―【完】
「っ、瞳!大丈夫!?」
クローゼットから身体を出した私は、 ガクリとその場に崩れ落ちた。
「愛ちゃん………… 巧と一緒にいることはもう…………無理なのかな? 」
「瞳…………」
「瞳さん…………」
「…………優斗は巧をどこまでも貶めようとしている…………私を手に入れるために…………。 巧を私は守りたいのに、 私のせいで…………」
涙がとめどなく頬を伝う。止める術なんてもうわからない。
いくら気持ちを立て直した所で現実は上手くいかない。とことん、巧と私をがんじがらめにする。
巧の今まで築き上げてきたモノが全部、このままだと優斗達によって失われてしまう…………。
それなら、 いっそのこと…………
ーーーーその時だった。
朝香さんの鞄の中からスマホの着信音がなりだした。
「…………! この音…………!」
朝香さんは、その場から何かに気付いたのか跳ね上がると、スマホを鞄の中から取り出す。
そして…………彼女が、口にした言葉は。
『…………巧!』