禁域―秘密の愛―【完】


「っ、瞳!大丈夫!?」


クローゼットから身体を出した私は、 ガクリとその場に崩れ落ちた。

「愛ちゃん………… 巧と一緒にいることはもう…………無理なのかな? 」

「瞳…………」

「瞳さん…………」

「…………優斗は巧をどこまでも貶めようとしている…………私を手に入れるために…………。 巧を私は守りたいのに、 私のせいで…………」

涙がとめどなく頬を伝う。止める術なんてもうわからない。

いくら気持ちを立て直した所で現実は上手くいかない。とことん、巧と私をがんじがらめにする。

巧の今まで築き上げてきたモノが全部、このままだと優斗達によって失われてしまう…………。

それなら、 いっそのこと…………


ーーーーその時だった。


朝香さんの鞄の中からスマホの着信音がなりだした。


「…………! この音…………!」


朝香さんは、その場から何かに気付いたのか跳ね上がると、スマホを鞄の中から取り出す。

そして…………彼女が、口にした言葉は。


『…………巧!』

< 570 / 714 >

この作品をシェア

pagetop