禁域―秘密の愛―【完】




「とにかく、朝香。 お前が何を考えてるかは知らないが、無駄だよ? ーーーー俺はね、瞳をそれくらい愛してるんだ。瞳を取り戻す為なら何だってするよ。 巧君がどうなろうと知った事じゃない」


「…………優斗君…………」

「…………俺は、 瞳を愛してる。 どこまでも深く。 彼女を取り戻す為にここまでするんだ。 俺が一番彼女に相応しいに決まっている。 …………瞳の隣にいるのは、巧君なんかじゃないよ」

「…………ッ」


「じゃあ、俺はまた瞳の事を探しに行くから。 朝香も早く帰れ。 …………今日が巧君と日本で過ごせる最後の夜だからな」

そう一方的に告げると、優斗は去っていった。

優斗は去った、筈なのに。



「…………ど、したら…………いいの」


もう、止める手段も明確にならないまま目前まで迫っている意味のなさない巧のブラジル行き。


優斗のどこまでも深くて、狂気のような愛情ーーーー。


それをこれでもかと言うほど実感させられて…………身体の震えが未だに止まらないほど恐ろしかった。






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