禁域―秘密の愛―【完】
「………分かったわ。 優斗君から連絡が来たら、巧は私といるって言う」
「私も、何されても断固として知らないって言うからね。 もしかしたら、かれんちゃん達にも手が伸びてるかもしれないから連絡しとく。………だから、桐谷君、瞳の事、頼んだわよ! 」
「ーーーあぁ。本当にありがとう、二人とも」
「朝香ちゃん、愛ちゃん、ありがとう………」
『任せて!』
そう言った二人の声が同時にかぶった。
いつも、いつも私達の事を応援してくれて、どんな時でも支えてくれる愛ちゃん。そして、巧を愛するがゆえに………その想いを尊重することを決めた朝香さん 。
ーーーー散らされた願いだと思っていた 。
巧と一緒にいること………その願いを、一度は散らされたその願いのカケラを様々な思いを持って私達を支えてくれる人達が拾い集めてくれる。
それは、奇跡のような出来事でーーーー、感謝せずにはいられない。
感謝するんだ。 そして、その感謝と共に願いを巧と形にしていく。
必ずーーーーー。
「ありがとう………」
私はもう一度そう言うと、巧と愛ちゃんのアパートを出た。
しっかりとその手を握り締めながら………私は、巧と歩き出した。