禁域―秘密の愛―【完】
朝香さんにもお礼を言うと、私は巧と顔を見合わせる。
………明日、巧はブラジルに行ってしまう。
また………会えなくなる。
「………っ」
それを思うと、胸がキリキリと痛んだ。
やっと会えたのに、また巧と離れなければならない。それしか方法が私達には無いと分かっているけど………でもーーーー
「…………瞳、二人になりたい」
「えっ………」
「今すぐだ」
そう言う巧の目もどこか、揺らいでいた………。
「あ…………」
私は………巧のこの目を見た事がある。
あの時と………、福岡で初めて巧と抱き合ったあの時と同じ目ーーーー。
巧もきっと今、私と同じ思いをしている………。
「私も…………」
私がそう言うと巧はそっと、私を抱き寄せた。
「………関口、朝香。頼みがある。明日の朝までどうか………俺達の居場所が知られないよう優斗さん達を誤魔化してくれないか?俺は………瞳を連れて行く」