禁域―秘密の愛―【完】
ーーーーー翌日
「…………ん」
眩しい朝日に照らされ、私は目を覚ました。 今日は、巧との別れの日だというのに………驚く程、空は青く清々しい。
そして、私の心も………どこかスッと毒が抜けたかのように澄み切っていた。
「巧………?」
「あぁ、………起きたか」
見ると、巧は既にベッドから出ており着替えをしていた。
「………よく寝れたか?」
そう言うと、巧は優しく私の頬を触ってきた。
「………うん。不思議だね?今日、また巧と離れちゃうのに………驚く程よく寝れたし、心も穏やかなの」
「あぁ………俺もだ」
そう言うと、巧はまた私にキスをした。
理由はきっと、巧も私も分かっていた。昨日の夜、思うがままにお互いの身体も心も求め合い………満たされ、そして、それはずっと何があってもお互いのモノだと分かったから。
巧が世界のどこにいても………それは変わらない。それだけで私の心は安堵で満たされた。