禁域―秘密の愛―【完】
「っ、朝香さん………」
そんな朝香さんの背中を愛ちゃんが支えていた。
「朝香………まさか、お前までそんな事をしていたなんて………」
優斗が悲痛な面持ちで朝香さんを見ていた………。
権力を振りかざし、巧と私を引き離したという朝香さんの告白は、妹のように彼女を可愛がってきていた優斗にとっては衝撃的だったに違いない。
一番、彼が嫌っている事を朝香さんはしていたのだから…………。
「お願い………優斗君。 8年も二人を引き離してきた私に出来ることは、これからの巧と瞳さんを応援してあげることなの。 認めてあげることなの………。それが、せめてもの償いだわ。お願い、二人を………許してあげて。 お願い………」
「朝香………お前まで」
一度に、色々な告白を受けてきた優斗の頭の中は今、とても混乱しているに違いない。
その証拠に………彼はまるで魂が抜けたかのようにその場に立ち尽くしていた。
「ッ、優斗…………」
そんな優斗を見てられず思わず彼に声をかけた………時だった。
「…………いい加減にさっさとこの問題、片付けてくれないかな?君達」