禁域―秘密の愛―【完】
「優斗君、やっと目を覚ましたの? ボーッとしてないで早く巧をーーーー」
「…………啓史さん。 帰って頂けますか?」
「………何?」
「優斗さん………?」
「ゆ、優斗………っ?」
突然の優斗の発言に、言われた啓史さんはもちろん巧と私も戸惑いを隠せなかった。
今まで、私達を別れさせようと結託していた二人がどうして………。
「…………園屋。 一体、誰に向かってそんな口きいてんの? いいか? この僕がいなければ君は、巧と綾瀬 瞳を引き離すことができないんだぞ!!寧ろ、感謝して俺に頭を下げるべきだろう!?」
「………でも、 あなたはその下らない恋愛沙汰に時間を割きたくないんでしょう?」
「な………」
「それなら、帰って頂けますか? ………ご安心を。 あなたの憎い桐谷 巧はきちんとブラジルに送り届けますよ。………きちんとした形でね」
そう啓史さんに告げる優斗は、とても冷たい表情をしていた。 その場にいる誰もが、立ち尽くすほどのーーーー
「ッ、さっさとして欲しいね。本当に………」
啓史さんもそんな優斗にどこか怯えた表情を見せ、車に乗り込んだ。