禁域―秘密の愛―【完】


「優斗君、やっと目を覚ましたの? ボーッとしてないで早く巧をーーーー」


「…………啓史さん。 帰って頂けますか?」

「………何?」

「優斗さん………?」

「ゆ、優斗………っ?」

突然の優斗の発言に、言われた啓史さんはもちろん巧と私も戸惑いを隠せなかった。
今まで、私達を別れさせようと結託していた二人がどうして………。

「…………園屋。 一体、誰に向かってそんな口きいてんの? いいか? この僕がいなければ君は、巧と綾瀬 瞳を引き離すことができないんだぞ!!寧ろ、感謝して俺に頭を下げるべきだろう!?」

「………でも、 あなたはその下らない恋愛沙汰に時間を割きたくないんでしょう?」

「な………」

「それなら、帰って頂けますか? ………ご安心を。 あなたの憎い桐谷 巧はきちんとブラジルに送り届けますよ。………きちんとした形でね」

そう啓史さんに告げる優斗は、とても冷たい表情をしていた。 その場にいる誰もが、立ち尽くすほどのーーーー


「ッ、さっさとして欲しいね。本当に………」

啓史さんもそんな優斗にどこか怯えた表情を見せ、車に乗り込んだ。


< 605 / 714 >

この作品をシェア

pagetop