禁域―秘密の愛―【完】
高校生の時とは違う巧の力強い言葉と繋がれた手。
それだけで、私はあなたの手を握る勇気が持てるーーーー。
「………大丈夫、私も離さないよ」
私もそう巧にはっきりとした声で伝えると、私達は大きな桐谷家の門を入り始めた。
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桐谷家のリビングに出向くと、そこにはまさに今、仕事に向かおうとしている巧の父、桐谷 光の姿があった。
「…………巧、こんなところで何をしている?」
8年経っているにも関わらず、その姿は私が高校生の頃とあまり変わってなくその瞳も昔と同じく経営者特有の鋭いものだ。
「社長、………いや、父さん。 話がある」
「…………巧、お前は今、本来ここにはいないはずだ。 それにーーーー」
そう言うと、光さんは私を見た。ただでさえ鋭い目をなお、鋭くして。
「…………綾瀬 瞳。久し振りだといいたいところだがーーーー、一体どういうつもりだ? 君には、我が家の敷居を跨ぐ資格はない」
そう低い声で告げたーーーー。