禁域―秘密の愛―【完】
ーーーーあぁ、中身もこの人は何も変わっていない。
高校生の時とは違い冷静に桐谷 光の態度をそう受け止められたのは、やはり巧と固く繋がれた手があったからだと思った。
「…………ご無沙汰しております」
そして、私はその冷静さを持ったまま桐谷 光にそう告げた。
「ッ、綾瀬 瞳、今すぐ息子の手を離せ!お前もお前だ、巧!婚約者の朝香さんがいるのにお前はまだこんな女と………!」
「朝香とは別れた。 彼女も納得してくれたよ」
「…………何!? 一体お前は何を考えている!?」
巧の言葉を聞いた途端、桐谷 光は激昂し巧に詰め寄った。
「ーーーーッ!」
その反動で、巧と私の手が瞬間的に離れるーーーー。
「お前は、女に関しては本当にどうかしてる!! 綾瀬 瞳とお前が付き合って会社に何の得がある!? 何も無いだろう!! 巧、俺はお前にいつも言い聞かせてたはずだ。 自分の得になる女と付き合えと! それがどういう意味か分かるか、巧! 桐谷商事の資金になるような金を生み出す女と付き合えということだぞ!! 綾瀬 瞳………この女にはそれが一つも無いだろう!?」