禁域―秘密の愛―【完】
「なっ…………」
あまりの暴言に私は一瞬、ショックというよりも驚きで唖然とし言葉を失った。
呆れてものが言えない、とはきっとこのことだーー………。
「ーーーー…………それ以上」
「………何?」
「それ以上の………瞳に対する侮辱はこの俺が許さない。 …………父さん、 あなたには瞳との付き合いを認めてもらう」
だけど、巧だけはーーーー、変わらず凛とした瞳でそう桐谷 光に告げた。
「………瞳、ほら」
「巧………」
そして、もう一度私に手を差し伸べる巧は………高校生の頃と違い、何の躊躇いもなく私の方だけを見つめてくる。 そこに、桐谷 光という障害があるのに………。
巧も、きっと心から決めているんだ。もうこの先、誰にも私達の未来を邪魔させない事を…………。
「ありがとう………巧」
私はそのような、色々な思いをこめて巧にそう言った。 それが、巧にも通じたのか、彼も私にまた優しく微笑む。
「ハッ、この俺だと? 巧、中々笑わせてくれるじゃないか!? 一体、お前はどの立場から実の父親に向かってそう生意気な口がきける!? お前は、俺の援助が無ければあの老婆と二人暮らしで今頃は悲惨な生活だったんだぞ!? それをーーーー」
「…………悲惨な目に遭ってたのはアンタかもしれないと俺は思うが? 父さん」