禁域―秘密の愛―【完】
「えっ………って、瞳。 何だ、その豆鉄砲を食らったような顔は」
「だ、だって、巧………」
巧は至って、不思議そうに私を見ているけれど私にとっては巧の言葉の方が信じられない。
「………何を考えてる?」
巧はそう言うと、私の頭をポンっと柔らかく叩いた。
「もっと、シンプルに考えればいい。 才能っていうのは何も特別なコンクールで優勝しただとか、その道でプロフェッショナルと言われる人達だけのものじゃない」
「どういう意味………?」
「瞳には、何よりも好きなモノがあるだろう? それを愛して止まずにその事だけを続けて、行動し続けるっていうのは大きな瞳の能力だ。 そして、それを続ける事で他人を幸せにしたり、大きな事を成し遂げる事だって可能だと俺は思う。現に、俺は何回かお前の能力を垣間見て、とても幸せな気持ちになった事がある。 ………何か気付かないか?瞳」
巧にそう言われ、私は記憶を探る。
私が何よりも好きで………行動し続けてきた事?
そして、それが巧を幸せにした………?
記憶を探って、探って………掘り返す。
巧との記憶。 私が巧を、笑顔にした記憶………。
「あっ………」