禁域―秘密の愛―【完】


まさか………とは思った。 だけど、それしかない。

「…………私の、料理?」

答えを確かめるようにそう言うと、巧は満足そうに微笑んだ。

「そうだ。 瞳の料理は、お前みたいに優しい。食べる人の事を考慮し、勿論栄養価も高いとても素晴らしいものだ。俺は、お前の料理がとても好きだ。 優しくていつも食べる人の事を思うあたたかさを忘れてないお前の料理が。 ………瞳、お前には料理で人を幸せにできるよ」

「っ………、本当?」

「ああ。ーーーー瞳なら、きっと大丈夫だ。 俺はお前が………3年の間、料理で才能を益々発揮させる事が出来ると信じてる。 俺は、俺で自分のすべき事をやるから………。 信じろ、瞳。 俺だけじゃなく………お前の能力も」

そう言い切った巧の目と言葉は力強く、私の心に爪痕を残すには充分だった。

「…………うん。 ありがとう、巧………。 私、私………あなたの為にもそして、自分の心をもっと強くする為にも………頑張る」

頑張って伸ばしてみる。 巧が信じてくれた才能を。 そして、自信を持つんだ。

これからも巧の隣にいたいから。 桐谷商事の社長として波に揉まれるであろう巧の傍に………強さを持って、支えていきたいから。

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