禁域―秘密の愛―【完】


「へぇ、"日常お料理"って言ったら、有名な大衆料理本じゃないの? 相変わらず、庶民の味方だね。レシピを紹介するテレビ番組もなかった?」

「はい。 なので、残りの候補者の方々と今度テレビ番組で料理することになりました。 そこで勝敗が決まるようです」

「テレビ番組? 瞳ちゃん、大丈夫? なんか緊張し過ぎてスタジオでショック死しそうじゃない? 勝敗決まる前に」

「ちょ………、さり気なく不吉な事言わないで下さいよ!」

私が思わずそう叫ぶと啓史さんは、"あーーー、面白い"などといい笑い続ける。

完全にからかわれてる………。 勘弁して欲しい。

「ーーーー綾瀬君」

すると、談笑していた私の間に入ってきたのは………桐谷 光だった。


「桐谷さん………」

相変わらず、難しい顔をして私を見る桐谷 光には何度会おうと中々慣れない。 彼を前にすると思わず、萎縮をしてしまう。

「ご苦労だった。 内容や英語もまだまだ荒削りだが………最初の1年よりは大分的を得た内容になっている。 ………来月でプレゼンは最後だ。 あとは、中国語、ポルトガル語の勉強に励みなさい。 明日、講師に頼んでまたレッスンスケジュールを組ませる」

「ありがとうございます………! 頑張ります」

最初の頃は、英語の発音からプレゼンテーションの内容まで基本がなっていない、と散々怒鳴られてきただけあって、桐谷 光のこの言葉は私に一筋の光を与えてくれた。

巧と………ずっと一緒にいれると言う希望の光を。


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