禁域―秘密の愛―【完】
桐谷商事を出た後、私が立ち寄ったのは近くのカフェテリアだった。
そこでアイスミルクティーを注文し待つ事、 5分。
「ここで良いよ。 お疲れ様」
運転手に見送られやって来たのは………仕事帰りの優斗だった。
「ねぇ、あれ………園屋 優斗じゃない?」
「カッコいい〜! テレビでも観るけれど、本物の方が断トツで良い!」
「園屋さん! 私、園屋さんのファンで………握手して下さい!」
優斗が入ってきた途端、カフェテリアにいた女性達が浮き足立った。
それもそのはずで、ここ3年で園屋物産が持ち込んだ海外のレストランチェーン、カフェチェーン店が次々に日本で流行り、それらを持ち込んだ第一責任者、そして次代園屋物産を担う社長として度々テレビ、雑誌などに登場する優斗は今や巷ではタレント並の有名人だ。
元々、口も達者で人を楽しませるのが得意な優斗だからそういう場は本人にも合っているのか楽しそうに何度かテレビに出ているのを見て安心した事がある。
「はい、サインね。 ありがとう、可愛い子たち」
「きゃーーーーッ!」
優斗がそう言うと益々、黄色い歓声が上がった。もはや、アイドルみたい………。
「………優斗!」
私が声を掛けると、優斗は"おっ、瞳!"と言って屈託のない笑顔を浮かべてこちらへ向かってきた。