禁域―秘密の愛―【完】
それを聞いた途端、一瞬心臓が跳ねるのが分かった。
それは………明らかに私のことだけれど………。
「………なるほどね。 確かにいたよ。彼女の事は本当に大好きだった。 今でも………俺にとってはかけがえのない人だ。でも、 彼女にはもっと大切にしなければならないものがあった。………俺は、それを尊重したんだよ」
「大切にしなければならないもの………?」
「まぁ……….それは詳しくは言えないけどね。 だから………、この子は古い友人だよ。本人を目の前にしてこんなこっぱずかしい事言わないでしょ?って事で、俺は今絶賛、恋人募集中ですよ? 君たちどう?」
「えっ………、そ、そんなっ!嬉しい〜!」
優斗の台詞で一気に色めきたった女性達は、満足げに私達の元から離れていった。
一方で私の脳内ではさっき優斗が言った台詞が木霊していた。
かけがえのない人ーーーー…………。
それを発した時の優斗の声の音色があまりにも優しく、そして切なさを帯びて聞こえたから………。
多分………、ううん、きっと………優斗は今でも…………。
「…………何て顔してるの? 瞳」
その時、優斗が私の頬っぺたを両手で引っ張った。
「っ、な、何、急にっ………」