禁域―秘密の愛―【完】


「確かに今………俺のかけがえのない人は俺のものじゃないけど。 でもさ、こうやってたまに会って………元気そうな顔が見れれば幸せかもな、ってここ数年で思えるようになった。その人も、俺の事を本当に大切に想ってくれてたし。もちろん今もそれが伝わってくる。 ………だから、瞳」

そう言うと、優斗は私の頬っぺたから手を放し、顔を少しだけ近付けた。

「瞳は瞳で、大切な巧君の事を一番に想って………困難を乗り越えるよう頑張っていけばいい。その姿が悔しいが俺といた時よりも君が輝いてみえるから………俺はそんな瞳を見ていたいし、応援もしてる。
まぁ………勿論彼がアテラ社との交渉に失敗したら、瞳は俺のお嫁さんだけどね?」

そして、小声で悪戯っぽく言い笑った優斗を見て………私の胸は強く打たれた。

本当に………、優斗は私のことを今でも想ってくれている。 その名の通り優しく包み込むように、巧を愛する私自身を丸ごと人として愛してくれている。それが強く伝わったから。

「ありがとう………。優斗」

「アハハ、瞳。 どうして君は何回も泣きながら、俺に感謝するんだよ。昔から」

「だって………言いたいの。 何回も、何回も」

優斗には………ありがとうとーーーー。




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