禁域―秘密の愛―【完】
「これ………ありがとう、優斗」
しばらくして、私は優斗に借りていた中国語の参考書を返した。
優斗は世界中を股にかけて仕事をするので、英語や中国語は堪能だ。
「觉得这篇课文怎么样?」
(このテキストどう思う?)
「え、えっと………这个书很容易理解。
非常感谢」
(とても分かりやすい。 どうもありがとう)
「でしょ?俺も長く使ったなぁ、特に例文が面白いものが多くて良いよね。またいつでもかすよ。でも中国語、上手くなったね」
「いや、でもまだまだぎこちないよ。あっ、でもね? 桐谷商事でやるプレゼンは来月で仕上げだって言われたの。 後は………語学だけだって。 だから………、だからもう少しなの」
そう。ーーーーもう少しで私は………巧と一緒にいられる。
「そっか………、良かったね、瞳。この前、"日常お料理"の和食部門コンテストの最終審査に残ったって聞いたし、本当に後少しだ。ところで、巧君はどうなんだ? 元気にしてる? スカイプかラインなんかでいつも話してるんだろ?」
「う、うん。もちろん………。だけど、ここ数週間かな? 巧が大分忙しいみたいであまり連絡つかなくて………」