禁域―秘密の愛―【完】


「当然だろう。 私は君が才能を見せたら巧との仲を許すと言った。 そのチャンスを自ら逃すんだからな」

桐谷 光は容赦なしに次々と自分の言いたいことを言ってくる。 それがナイフのように、私の心に刺さってくる。


でも確かに………そうだ。 今、ここで巧の元へ行けば巧と私との仲を桐谷 光に認めてもらえなくなる。

けれど…………

「…………どうしたの? 瞳」

私の様子がおかしいのを感じ取ったのか、愛ちゃんが話しかけてきた。

「…………愛ちゃん」

「何………?」




「私…………、 巧といることよりどうしても、譲れないものがあるって………分かったの」


「え………? な、何言ってるの、瞳? どうかしちゃったの………!? 瞳にとってそんなのがあるわけなーーーー」



「…………あるの」


私はそう言って………強く愛ちゃんを見据えた。


皮肉にも………、気が付いてしまった。
巧が今………、生死の境を彷徨っている………その事から。



気が付いて………しまった。



< 655 / 714 >

この作品をシェア

pagetop