禁域―秘密の愛―【完】


「………綾瀬君? 聞いてるか? 綾瀬君?」

何も言葉を発さない私に、 桐谷 光が問いかけ続けるが、それもどこか遠くにあるように聞こえた。



……….…巧が? 意識不明?



"愛してる………瞳"


"必ず三年後、一緒になろう"


そう………言っていた。
巧は確かに………私に、二人の未来を見せてくれていた。

なのに………そんな事って………。 巧がいなくなるかもしれないなんて………そんな事が本当にあるの………?


「…………どうするかね? 綾瀬君」

「ど………うするって………? 何を………」



「巧の元に………行くか? 今なら、飛行機のチケットの手配もできる。ただし、問題はここからだ」



そう言うと、桐谷 光はまた一呼吸置いた。 そして告げられたのは………



「………ただし、君が今日のコンテストを差し置いて巧の元に行くというのなら、巧と君の将来は無いと思いなさい」




…………またとない、究極の選択だった。

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