禁域―秘密の愛―【完】


「…………ッ!」

私………だ。私の名前が呼ばれた………。

驚きと感動で何も言葉が出ない。

「おめでとうございます!綾瀬さん!こちらへどうぞ!」

司会者にそう言われ、私はまだ先ほどの余韻が残ったまま、言われるがままに壇上の真ん中へ行く。
そして審査委員長からコメントを頂いた。

「準グランプリと特別賞同時受賞おめでとうございます」

「あ、ありがとうございますっ………」

「今回のあなたのレシピ、和風パエリア薬膳風………とても素晴らしかったです。 スーパーなどで手に入りやすい材料を具材に使い出汁と海鮮の味も同時に損ねず見事に薬膳の方法を使ってパエリアの味を日本の炊き込みご飯になることなくだしている。
味ももちろんとても美味しく栄養価も高いものでした。 ただ、見た目の華やかさに少し欠けたところがありそこが惜しかったですね」

「そうだったのですね………」

確かに………見た目にはあまり配慮が無かった気がした。
パエリアということもあり、パプリカなどの色の豊富な食材も取り入れていたため自然とうまい具合に良い見た目になっていたからだ。

そのかわり、味と栄養のバランスをうまく調整する事を意識していた………。

審査員長が言っている事がコンテスト前を遡っていくと腑に落ちていく。




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