禁域―秘密の愛―【完】
ここは本当に巧と私にとって大切な場所なんだ………。
「………瞳」
「ーーーー何?」
思い出に浸っていると、巧が不意に私を呼んだ。
けれど、その目はーーーー
「………どうしたの?巧?」
何かを決心したような強い目で私を見てくるから、思わずそう尋ねた。
「どうしても、この場所で………俺達が始まったこの休憩所で伝えたい事がある。 だから今日………ここへ連れてきたんだ」
そして巧はその強い目のまま、私を見据えてくるので私は何も言えなくなった。
一体、どうしたんだろう………?
「………瞳」
そして、巧は私の手を握る。 それは今までに無いほどの強さだった。
「出会ってから色んな事が俺達を阻んできたが………俺は言ったよな。もうこれから先ずっと………瞳といると。 俺は瞳から何があっても離れないと」
「うん………、言ったよ?」
「今日………、その約束を本当の形にしたい」
そこまで言うと、巧は深く深呼吸をした。
そんな巧の姿を見てなぜか私の胸も高鳴りを増す。
そして、再び意思が光る強い目で私を見つめ巧が言った事は
「ーーーー瞳。俺と、結婚して欲しい。 俺の妻として一生………隣にいてくれ」
夢かと思うほど、幸せな言葉だったーーーー。