禁域―秘密の愛―【完】
優斗の私達を心から励まし、背中を押してくれる数々の言葉に巧は心を動かされた。
そしてーーーー、 巧は今、優斗に胸に秘めていた事を言う時だと考えた。
「………それでは、俺の我儘を聞いてください」
「………うん。 それが君が言う話だね。 何?」
「優斗さん………。 瞳を心から大切に想うあなたへ一番に誓います。 俺は、生涯を賭けて瞳を守り………彼女を必ず幸せにします。 なので、瞳にプロポーズをする事を………どうか許して下さい」
そう言うと、巧は再び優斗に深く頭を下げたそうだ。優斗は、そんな巧の姿を暫くの間黙って見つめていたけれどーーーー
「…………絶対に、絶対にだ。 瞳を幸せにするんだ。 それをしなければ、例え、君がどんな国にいようと、どんな立場になってようとーーーー、俺は瞳を掻っ攫う」
巧に顔を上げさせると強く熱のこもった目で………そう告げた。
「………いつも胸に留めておきます」
けれど、巧も同じく意思を持った強い目で優斗を見つめ返した。
そんな巧を見て、優斗はフッとどこか安堵したような笑みを浮かべた。
「男と男の約束だな。 忘れるなよ?」
「もちろんです」
そう言うと2人はまたお互いに笑い合ったというーーーー。