禁域―秘密の愛―【完】
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「可愛いだろう? 瞳? これほどまでにクールな巧君が"我儘を聞いてください"って目をうるうるさせながら言ったのは、一生忘れないよ、俺!」
「め、目をうるうる………?」
「待て!それは有り得ない!優斗さん、 瞳に変な事を吹き込まないで下さい!」
「本当可愛いね〜。 瞳にカッコつけようと嘘ついちゃって」
「本当、アンタって人は………」
「ゆ、優斗………」
もはや、完全に優斗は巧の反応を楽しんでいるだけになっている。
だけど………巧に、プロポーズのことを打ち明けられてから、皆んなを集めてくれたんだ。
そんなところから、優斗が本当に私達の事を応援してくれてるんだと感じ、胸が熱くなる。
「………優斗、 本当にありがとう」
巧をからかっている途中の優斗にそう笑顔で言った。
「………幸せにな。 瞳」
そして、彼もまた優しく微笑みそう言い返した。
短いけれど、 何よりも重みのあるその言葉に巧と私は改めて優斗に頭を下げた。
ありがとう………。 優斗。
本当に、ありがとうーーーー。