禁域―秘密の愛―【完】


「これからもずっと………一緒にいる。 これはその証だ」


「たく、…………ッ」


「ーーーー愛してる、 瞳」


そう言って………巧は皆んなが見守る中、 一番初めに愛を誓い合ったこの場所で私にキスをしたーーーー。

「ッ、 私も…………愛してる」


嬉しさで溢れた涙と共にあふれ出たのは、巧への変わらない愛。



ーーーー巧。


あなたと出会って、私は初めて恋を知った。


愛し愛される幸せも、 全部あなたが教えてくれた。

…………けれど、それは同時にけして踏み入ってはならない禁域でもあった。

"運命の人でも………結ばれないことってあるの?"


あなたとの愛を遮られる度、 何度もそう思っては、あなたと私の間にある禁域に心を引き裂かれた。

でも………それでも。

あなたを愛し続けたのは、 きっと禁域の先に、あなたとの未来があると信じ続けていたから………。


そして、やっと………やっと禁域の先が見えた。

そこには、巧………あなたとの未来が確かにあった。

その未来を………ずっと変わらない愛で包んでくれた、巧とこれからも守っていく。

そのための心の強さと勇気をーーーー、 禁域は私に教えてくれた。


全ては、愛する人と一緒にいるために。 巧と………共に生きる為にあったんだ。


だから、一生変わらない愛を………禁域に捧げ、 今日私はその扉を閉める。

愛する人との………新たな未来に向かって。




【完】


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