禁域―秘密の愛―【完】


「桐谷の家は巧を一体、どうする気なんだろうか………?
巧といい………、瑞歩(みずほ)といい。あの家は、いつも私の大切なものを傷付けるんだよ………」

「え………?」

どういうこと………だろう?

それに………、"ミズホ"って一体誰?

そういえば………、桐谷君も、おばあさんも"桐谷家"をあまり良く言わない。

家族であるはずなのにーーー。


「あの………。私なんかが、入って良いお話ではないとは重々分かっています。けど、何かあるんですか………? 私、話が全くーーー」

「………え?」

今度はおばあさんが、私の問いに驚く番だった。

「まさか………、瞳ちゃん、巧から何も聞いていないのかい?」

「何を………ですか?」

「まさか………」

おばあさんは、しばらく何か考え込んだ後、ため息をついた。

「巧は………、瞳ちゃんには、全て言っていると思っていたよ。
何せ巧は………、瞳ちゃんといると昔のようにすごく良い笑顔で笑うからね」



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