こちら、なんでも屋でございます【2】
なーんて格好つけてみたけど…
やっぱ緊張するわ…っ
父さんは世界一と言っていいほど怖いと思う。
ま、だから俺は苦手なんだけど…ね。
怒鳴られる事は大嫌いだから。
この襖の向こうにはその世界一苦手な父さんが居る。
大きく深呼吸をしてから行こう…そうじゃねーと…
「おい、綺羅。いつまでそこに突っ立っている」
あ、ヤベ……見付かってました。
「と、と、と、父さん…気づいてたのかい?」
「気づいてただと?俺をなめているのか?お前」
「い、いやぁ…別にそんな事は…」
「黙れ!!!今更なにしに来た…」
「……今日は父さんに折り入って頼みがあるんだ」
「頼み、だと??ふざけるな帰れ裏切り者」
「裏切り者だっては分かってる。でもこれは父さん達の協力が必要なんだ。俺だけだとアイツ等を倒せない…息子の最後のワガママを聞いてくれないかい?」
「俺はお前を息子だともう思っていない」
「だよね…八神家の裏切り者だから」
「あぁ、『息子』としてのお前はもう居ない。お前はもう『他人』だ。」
「なら……他人である俺の頼みをきいてくれないかい?八神武政さん」