ジュンアイは、簡単じゃない。





「……ああ……疲れる…。」





「でしょうねえ……。」


噂は、瞬く間に……広がっていき。




私が廊下を歩く度に…執拗な視線が、絡まってくる。




後ろ指を指されることには、慣れていたつもりだけど……



数時間前とは、訳が違う。








学校では……彼の迷惑にはならないようにと、意気込んだつもりが。



イキナリ……この始末。





「きん~…、いつまでそうやってんのよ。人の噂もなんちゃらっていうじゃん?うじうじしてないで、そろそろ弁当食べようよ~。」





机に顔を突っ伏している私を、モモちゃんが…ゆさゆさと揺する。





「………弁当……。ハッ…、そうだ……。弁当!!」




その言葉に。


閉じかけた目を…思いきり、見開く。







鞄の中には、3つの…弁当箱。





「なにソレ!アンタ一人で、そんなに…」



「ちがーう!これは、セ……」


「…………『せ』?」


「………。せ…、背が伸びるようにと、カルシウムたっぷりじゃこ御飯の入った…特製弁当なのだ。」



「3つもたべるの?」


「ちがーう!これは、セ……」


「……………。『せ』?」



「せ、セイロンティーにぴったりのランチなのだ。」


「じゃこと紅茶が合うの?はじめて聞いたわ、そんなん。」



「………。ってことで……、ただいまより、紅茶を買って参ります!」


私は、2つの弁当箱をもって、席を…立ち上がる。





「…………。いってらっしゃ~い。」





モモちゃん、嘘ついて…ごめんなさい!


事態が落ち着くまで……もう少し、知らんぷりしていて下さい。




私には、最も危険な試練が……



待っているんです。




そう、


セナくんに………



お弁当を渡さなくては…!!!
(あ。倉橋くんにもネ。)













< 64 / 72 >

この作品をシェア

pagetop