眠り姫はひだまりで【番外編】
僕は呆れにも近い苦笑いで、「あー、うん」と間延びした声で言った。
「そっ、そっ、そうなんですか…!」
町田さんは何故か、アイスクリームと僕と、移動販売車とを交互に見て、目を輝かせた。忙しい子だなぁ。
すると、彼女は突然せわしなく動かしていた目線を下へ止めた。
そして、溶けかけたアイスクリームを眺めて、言った。
「…じゃあ先輩は、この大切な場所に、あたしを連れて来てくれたんですね」
…憂いた、瞳で。
そんなことを言うから、僕の胸が罪悪感で痛み出す。
…連れて来てあげた、なんて。
僕が君をここに連れて来たのは、そんな綺麗な気持ちじゃない。
それこそ君の想いを踏みにじるような…そんな、ものなのに。
「…ありがとうございます、先輩」
そんな風に、笑うな。
僕はこんなに最低な気持ちで、町田さんに接しているのに。
「…やっぱ、町田さん、やめといたほうがいいよ」
「えっ?」
何が?という顔をする彼女を、僕は真っ直ぐに見つめた。